遺言の条項 - 記載事例 -

遺言には、(基本的には)何でも記載をすることはできますが、遺言によって法的効力を持たせることができる事項は法律で定められています。この法的効力を持たせることができる事項を法定遺言事項といいます。

 

法定遺言事項

法定遺言事項は、次のとおりです。

 

・相続分の指定及び指定の委託

・遺贈

・遺産分割方法の指定及び指定の委託

・推定相続人の廃除及び取消

・特別受益の持戻しの免除

・相続人相互の担保責任の指定

・遺留分減殺方法の指定

・一般財団法人設立のための定款作成

・信託法上の信託の設定

認知

 

・未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定

遺言執行者の指定及び指定の委託

・祭祀主催者の指定

・生命保険金受取人の変更(保険契約締結の時期によっては不可)

 

各条項の遺言の記載例

遺言はその内容の明確性が非常に重要です。以下に、遺言の内容の記載例を書いていきますのでご参照ください。

 

ただし、特に自筆証書遺言においては、内容が明確であっても遺言の形式不備により遺言自体が無効になる可能性がありますので、その点はご注意ください。

 

また、遺言は部分的に見るのではなく、全体として見ること、税務等の他の観点からも見ることが重要です。

 

※以下の記載例はあくまでも例となっております。直接、遺言作成サポートのご依頼を受けていない案件の責任は負いかねますのでご了承ください。

 

土地・建物を相続させる

第1条 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産を、長男 山田一郎(平成10年10月10日生)に相続させる。

 

(土地)

所在 上尾市○○一丁目

地番 1番1

地目 宅地

地積 50平方メートル

 

(建物)

所  在 上尾市○○一丁目1番地1

家屋番号 1番1

種  類 居宅

構  造 鉄筋コンクリート造

床 面 積 1階 30平方メートル

      2階 30平方メートル

 

※不動産の表示は登記簿謄本と同じように記載してください。

 

自動車を相続させる

第1条 遺言者は、遺言者の有する下記の自動車を、長男 山田一郎(平成10年10月10日生)に相続させる。

 

登録番号      春日部000 あ 0000

種別        普通

用途        ○○

自家用・事業用の別 自家用

車名        ○○○○

型式        ○○○○

車台番号      ○○○○

原動機の型式    ○○○○

 

普通自動車は自動車登録事項等証明書の記載に、軽自動車は自動車検査証等の記載を参考に記載する。

 

預貯金を相続させる

第1条 遺言者は、遺言者の有する下記の預金債権を、長男 山田一郎(平成10年10月10日生)に相続させる。

 

株式会社埼玉りそな銀行大宮支店扱い 普通預金

口座番号 1234567

 

一切の財産を相続させる

第1条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、長男 山田一郎(平成10年10月10日生)に相続させる。

 

遺産分割の禁止

第1条 遺言者は、遺言者の一切の財産について、その分割を相続開始の時から3年間禁止する。

 

※遺産分割の禁止期間は最長5年です。

 

生前に贈与した土地につき、持戻しの免除をする

第1条 遺言者は、長男山田一郎に対して行った下記不動産の贈与につき、特別受益として持戻しを免除し、同贈与の価額を相続財産に加算をせず、長男山田一郎の相続分から控除しないものとする。

 

(不動産の表示)

 

推定相続人の廃除する

第1条 遺言者は、長男山田一郎が平成○○年○月頃から平成○○年○月頃までの間に遺言者に対して、頻繁に暴行を加えたり侮辱したことから、遺言者は長男山田一郎を相続人から排除する。

 

遺留分減殺請求の対象を指定する

第1条 長男山田一郎から遺留分減殺請求があったときは、次男山田二郎が相続する株式会社埼玉りそな銀行大宮支店 普通預金 口座番号1234567の預金債権から減殺するものとする。

 

相続人以外の人に包括遺贈をする

第1条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、甥山田太一(平成10年10月20日生)に包括して遺贈する。

 

一般財団法人を設立する

第1条 遺言者は、○○○のため、一般財団法人設立の意思を表示し、次のとおり定款の内容を定めるものとする。

 

(一般財団法人の内容)

 

※一般財団設立のため、その知識のある遺言執行者の選任をしておくことをお勧めします。

 

信託を設定する

第1条 遺言者は、次のとおり信託を設定する。

 

(信託の内容)

 

※信託設定のため、その知識のある遺言執行者の選任をしておくことをお勧めします。

 

負担付遺贈をする

第1条 遺言者は、甥山田太一(平成10年10月20日生)に、○○○○をすることを条件として、下記不動産を相続させる

 

(不動産の表示)

 

子を認知する

第1条 遺言者は、(本籍:埼玉県上尾市○○○一丁目1番地)鈴木一郎(平成25年5月25日生)を認知する。

 

遺言執行者を指定する

第1条 遺言者は、本遺言の遺言執行者として、長男山田一郎を指定する。

 

生命保険金の受取人を変更する

第1条 遺言者は、遺言者を保険契約者及び被保険者として、平成25年5月25日に締結した○○生命保険株式会社との間の生命保険契約(保険証券記号番号○○)について、その生命保険金の受取人が長男山田一郎となっているところ、その受取人を次男山田二郎に変更する。

 

予備的遺言をする

第1条 遺言者は、遺言者が所有する次の不動産を長男山田一郎に相続させる。

 

(不動産の表示)

 

第2条 長男山田一郎が、遺言者より前にまたは遺言者と同時に死亡していた場合は、遺言者は前条の不動産を遺言者の甥山田太一に遺贈する(相続させる)。

 

ペットの世話を任せたい(負担付遺贈の場合)

第1条 遺言者は、遺言者の所有する次の財産を、甥山田太一に遺贈する。

1.株式会社埼玉りそな銀行大宮支店の遺言者名義の預金全て

2.遺言者の所有する犬(名前:ココア、犬種:ウェルシュ・コーギー)

 

第2条 甥山田太一は、前条の遺贈を受ける負担として、遺言者の所有する犬ココアの世話を行うこととし、犬ココアが死亡した際には適当な方法で埋葬、供養をしなければならない。

 

葬儀を希望しない

第1条 遺言者は、遺言者の死後、宗教的・習俗的な儀式による葬儀が執り行われることを希望しない。

 

※この条項だけでは、法的拘束力はありません。希望の表明になります。誰かに相続・遺贈する代わりに負担として課すことは可能です。

 

※上記とは別に、葬儀の内容を細かく設定することも可能です。